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2017/02/13

うるゆー(サンゴ世)

大波の去った夜、
イノーに月が映えて、干瀬があやしく輝いた。
月が姿を消すと、イノーからティダが生まれる。
浜辺のユウナは風浴びて、黄色の花びらをゆらめかす。
木陰で舌出す大トカゲ、ユナの渚を睨んでる。
おもむろに這い出すと、蟹は慌てて岩になる。
そ知らぬふりのトカゲは、カタカスになって泳ぐよ。
ウルユー。渚に生まれ、渚にかえる。

イラブチャーがつつく。
まばゆいスクの群れ、向こうでボラが空へはねる。
グーが背中を叩く。ヌーからグーザがやってくる。
ヤモリは海に出てフカになり、マングローブのシジミはギラになる。
ティダがイノーにかえる頃、赤く染まるユウナの花。
風に揺られて花びら、落ちて波にさらわれた。
ぶるっとふるえて花びらは、オレンジ魚になるよ。
ウルユー。渚に生まれ、渚にかえる。

海がかすんでる。
ヌーから入ってきた、あれは相方いとしのザン。
ザンが藻をはみ終える頃、渚に生まれる赤ん坊。
少女になればティダの印、ウマレバンがぽつんとつけられる。
綾文様で染められると、手から飛び立つ綾はびら。
アマンと貝も這い出して、ブーが長い糸を引く。
やがて指から蛇が抜け出て、空を舞い海に溶けるよ。
ウルユー。渚に生まれ、渚にかえる。

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