宮古島針突きの尺骨頭部文様
市川重治は『南島針突紀行』で、宮古島針突きの尺骨頭部紋様について、
片手が高膳の場合は他方にトウヌピサ(鳥の足)かカザマーラ(風車)アオヤッダ(アオヒトデ)の文様がついた。
と書いている。
試みに、『南嶋入墨考』に掲載されている42のデザインについて、尺骨頭部の文様を挙げてみる。
十字の「ズギ、アジマル」と、十字の先に二重線がついた「ツガ」は、『南島針突紀行』に名称記載がないので、『南嶋入墨考』に依った。
これをみると、「高膳」と「トウヌピサ(鳥の足)」、「カザマーラ(風車)」、「アオヤッダ(アオヒトデ)」は対の関係にはない。左右の「高膳」がもっともポピュラーで、あとは特に必須として考えられていることも見当たらない。しかし、文様はどれも十字形を基本にしていている。十字を角で囲った「高膳」がその典型的なデザインで、こうしてみると、どれもが「貝」モチーフを宿していると言ってもいいくらいだ。
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