宮古島の針突き文様
市川重治の『南島針突紀行』から、宮古島の針突き文様について、もう少し示唆を受け取りたい。
「・」ウマレバン。小さな点。「富貴の印であり、後生に行けば先祖や神様に見せなければならない文様」。
「×」ガジル。結ぶこと。
「類こ」フツンキヤ。人と人が対しあうこと、口むかうさま。
「四個の点」インヌプサ(犬の足)。宮古上布にある文様。
「=」オミス。箸。
「五つの点」。イズクモズ。
「工」カシギ。織物をするとき、糸を綛(かせ)にする原始的な工具。
「六個の点。三個ずつ二列」。ニギリメシ(握飯)。
「※」イズクモズ、イズポカザマーラ。(「星」を表わす。『南嶋入墨考』)「この感じを上布に織り出すことに大変苦労した)
トウヌピサは、「ヤツカザマーラ」とも言う。
トゲヤ(銛)、ツガとも呼ばれる。
「〇に+」。タライ。
「四角形に対角線」ツガ。枡(ます)。
これらの証言からうっすら分かってくるのは、十字を基本にした文様が「太陽」を表わし、それを囲うようなデザインがあるとき「貝」モチーフが現われてくる。宮古の文様のモチーフは、「貝=太陽」を基本にしているのではないだろうか。
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