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2017/01/02

「対馬・仁位の祭祀と村落空間」(鈴木正崇)

 豊玉町の森(シゲ)、川(フチ)、山(タケ)について(鈴木正崇「対馬・仁位の祭祀と村落空間」「日本民俗学」151号)。

 シゲとは、集落内にあるコンモリ茂った森。伐ってはならない夫婦杉という古木がある。シゲの神へは盆踊りの奉納もあった。フチの神への奉納も意図している。森を神聖視する「霊地」としての性格。

 フチは、川の湾曲している所や、木の淀んでいるところ。神霊が宿り雨乞いの祈願場とされる。一方、河童が人に悪さをするというイメージもある。タケやシゲに比べると霊地の性格は弱い。

 タケは、高い峰のこと。ヤマより高いとされ、神聖な霊地として崇拝される。盆踊りの奉納のときは、天神嶽が意識される。タケは通常、麓から拝する。

 シゲ(森)、フチ(川)、タケ(岳)という同心円的聖地構造。シゲは、それ自体が神聖視されるとともに境界のカミの意味合いがある。集落内外に、シゲとタケを設定し、その間の干渉地帯にフチを配する。神社は浜辺ないし山腹にある。シゲ地のある少し外側の外縁部にあるのが神社。

 この記述からみれば、シゲは山(陸)の動植物の精霊、フチは水の精霊が宿っている。シゲには、人間の精霊も含まれている。シゲは、かつての「あの世」でもあるのだ。

 タケは、遠隔化された他界。フチは、その境界部にもなったのではないだろうか。

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コメント

「二位」ではなく「仁位」です。訂正をお願いします。

投稿: 鈴木正崇 | 2017/01/10 07:40

鈴木さま

ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。

投稿: 喜山 | 2017/01/10 20:36

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