蝶形骨器の「赤」
蝶形骨器は、朱に塗られていた。そのものから確認できたのは、八重島貝塚、室川貝塚、城間古墳群9号墓だ。
島袋春美は書いている(「いわゆ「蝶形骨器」について」)。
何れも凹文のへりに僅かに確認されているだけであるが、本製品における形、文様の保守性から推測すると出土した他の製品についても塗朱が施された可能性が高い。
塗朱の例としては荻堂貝塚のサメの脊椎有孔製品、清水貝塚のシラナミガイ(自然貝)、貝符、坪型土器がある。前者は本品に出土する時期と同時期の貝塚時代前Ⅳ期で、後者は後期に位置づけられる。
どれが前者で、どれが後者なのだろうか。分からない。八重島から出土したものは鯨の骨なので、ジュゴンだから赤ということはない。もちろんこの赤は、「太陽―貝―女性」から採られたものだ。より厳密にいえば、太陽の赤であり、祖先を意味する。死の領域に移行しているという意味で、蝶は赤に染められたということもできる。
それがジュゴンに塗られることも矛盾していない。ジュゴンは、胞衣でもあるわけだから、女性動物なのだ。
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