宿神がもたらすもの・メモ
中沢新一の『精霊の王』から、メモ。
蹴鞠(宇宙のバランスを保つ)。
諸道の者たちは、守宮神の護りがあればこそ、常の人の能力を超えた技芸の達成をすることができた。霊性に浸された芸能。
猿楽者は宿神の住む空間の構造そのものを探究して、身体の芸能として表現しようとしてきた。「翁」はそれを体現している。翁こそ宿神にほかならない。根源に近い神。
それは人の世界にとって恐るべき力をはらんだ荒神となる。猛威をなす。
奥座敷に住む童子であるザシキワラシ。サーカスのテントは、地上に出現した巨大な胞衣。
胎動をはらんだ母体(マトリックス)状の超空間。生命と富の貯蔵庫でもあって、いっさいの「幸」や「福」はこの超空間からの贈与として送り届けられる。人間はそれを神々のおこなう無償の贈与として受け取るだけなのだ。
ワカメやアラメのような海草。塩土の翁(塩をつくる)。
「スク」を通じて古代の人々は、神話の時空に出入りしていた。
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