「サンゴ礁を生んだ無脊椎動物と藻類の共生は,どのように進化したのか?」(將口栄一、新里宙也)
サンゴ礁は、世界の海域のわずか1%に満たないのに、全海洋生物の25%の種が生息している。サンゴ礁を作り出しているのは、造礁サンゴという動物。褐虫藻から莫大なエネルギーを得て水中に炭酸カルシウムからなる骨格を形成する。
褐虫藻は100種類以上いると考えられている。造礁サンゴも1000種以上と多様。幼生期に新たに褐虫藻を内胚葉細胞に取り込み共生を開始するものもいれば(ミドリイシサンゴ)、卵を通して親の褐虫藻を直接受け継ぐものもいる(ハマサンゴ)。
夏のわずか1~2度の海水温上昇で「白化現象」が起きてしまう。共生のメカニズムの詳細はほとんどわかっていない。
ミドリイシ属サンゴは、エネルギーだけでなく非必須アミノ酸の1つまでも褐虫藻に依存している。逆に、病原体を感知して自然免疫を作動させる受容体は少なくとも4つ持ち、褐虫藻と共生しない動物よりも多い。
「サンゴ礁を生んだ無脊椎動物と藻類の共生は,どのように進化したのか?」(將口栄一、新里宙也「細胞工学」2014)より。
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