文字を喰って文字を吐く
文字を喰って文字を吐く。ここ数年つづいてきたことだけれど、今年もそういう一年だった。喰らうべき文字は、文字なき時代に遡る伝承であり、吐くべき文字は、それを当時の島人の抱いていた意味や価値で捉えなおしてしかるべき時間と空間の層に置くことだ。
うまくいっているかどうかは分からない。けれど言葉を届かせていない領域は依然として広大なのだから、続けられる限り、そうしていこうと思う。
今年は駆け出しの芸人のように『珊瑚礁の思考』を連呼することになったが、応答は身近な周辺に終始した。無名というのはそういうことだ。しかし、『珊瑚礁の思考』を通じて、得難い出会いとおしゃべりがあったのは確かで、それがかけがえのないものになった。求めていたのはこれだと思えることで、前に進められる気がしている。
教えてもらった金城浩二さんのような方もいて(参照:「沖縄県読谷村、美しい海を蘇らせる「さんご畑」」)、金城さんが作っている「さんご畑」の隣りに、ぼくは『珊瑚礁の思考』を添えようとしているのだと思う。願わくば、この「さんご畑」のように色鮮やかで生き生きとしたものに育ちますように。coral reef forever.
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