「夜の口笛」(山里純一)
夜口笛を吹くと、
マジムン(化け物)が出る(宮古、八重山)
悪霊を呼び寄せる(沖縄本島)
亡者が集まる(伊是名)
ヤナムン(魔物)が来る
キジムナーが来る(読谷)
寝た時枕上に恐い物を呼び込む(ヤンバル)
山里は、
夜口笛を吹くと「マジムンが出る」とか「ヤナムンが出る」といった沖縄伝承は、「蛇が出る」とか「盗人が来る」という本土の伝承に比べて、より本来の意味に近いと言えるのかもしれない。
と書いている。
口笛を吹くのは、風を呼ぶための呪術でもある。風は蛇の精霊の化身(あるいは、蛇の精霊が引き起こすもの)。だから、口笛を吹くと蛇が出るというのが古い。それが、木の精霊として残ったのがキジムナー、その零落がヤナムンやマジムンになる。夜、という条件もそうなのではないだろうか。
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