イジャンハジメ(出し初めの式)のトーテム揃い
金久正の『奄美に生きる日本古代文化』でみた蟹儀礼について、より鮮明に捉える記述を見つけた。
大島郡龍郷村では、きまった日に名前はつけなかったが、いまでは七日のイジャンハジメ(出し初めの式)の前までにつける。イジャンのことを明り拝ましともいう。家の前庭で、男の子は桑の木でつくった弓を、女の子は鋏と針を高盆に御飯と一緒にのせ、マヨガラ(苧)という草をとってきて庭に植え、川から小がにを三匹取ってきて椀に入れておき、これを一匹ずつ赤子の頭の上にはわす。そして「イシグジマやカネクジマ(ともに貝の名)のように無事でありますように」ととなえる。かにがみつからないときは白い小石を用いる。そして、赤子を外に出して太陽を拝ませた。
桑、盆、苧、蟹、貝、太陽。何から何まで揃っている。「盆」はおそらく「貝」が宿っているのではないだろうか。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント