落ちた太陽(カニク)
「言葉をたずねて」のなかで、中本正智は、砂地をカニクというときの、ニは土で、クは処なのはすぐに気づくが「カ」が分からないとしている。
トカラの宝島にもカノク(砂地)がある。また、「草木をやきはらって開墾した畑」という日本列島の「カノ」という言葉がある。
つまり、堆積してできた海岸べりの原野を開墾し、畑にした砂地がカノコ(開墾した処)だったのではないか。
琉球にのカニク(兼久、金久、兼古)もその由来ではないかと考えられている。
でも、カニク地名は、畑以外にもあるし、畑以外の方がふつうである。というか、畑のカニクをぼくは知らない。中本は、ニライカナイの語源を追求するなかで、カナイを「日の屋」と解している。「カ」が太陽を指すことがあるのは、間違いのないことなのだから、カニクというのは、太陽が大地に化身したところなのではないだろうか。
カニク地名の特徴は、砂が大き目であることだ。太陽が化身した土でできた地形、落ちた太陽のかけらたちでできたのがカニクだ。
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コメント
『おもろさうし』には「アマミキヨ」を「アマミク・アマミコ」とも表記されていますね。
島々村々に伝承されてきた神歌ではほとんど「アマミコ」です。
与論も同じだと思いますが、現在の奄美沖縄諸島でいう「チュ(人)」。
つまりは、「カネク・カネコ・ハニク」の「ク・コ」は人を表していたのではないかと。。。
「カ」にしろ「ハニ」にしろ、それが太陽であるとすれば「太陽の人」と解釈できるかもしれません。
「おう・あふ・おお」などの島を経由して、最も上陸しやすい砂浜から10メートルあたりで部落の造営を開始したのではないかと想像してみました。
「太陽」とも崇める神々、あるいは祖先たちの足跡を「カネク」という地名で記憶しているでしょうか。
投稿: 琉球松 | 2016/11/02 10:29
琉球松さん
面白いです。砂というのは、どうもイノーから生まれたもののように考えられていたみたいです。そういうところからも、カニクは太陽の子なのかもしれないですね。
投稿: 喜山 | 2016/11/04 09:14