カネーラ底へのアプローチ
中本正智は『日本列島言語史の研究』のなかで、ニライ・カナイを「土の屋」、「日の屋」と解したけれど、カナイについては、別の方向からもアプローチできる。
八重山では、ハマゴウのことを「かねーら」とも呼ぶ(山里純一「八重山歌謡に見える植物」)。場所は特定できないが、ホーギーと呼ばれる木の中にはハマゴウも入る(新里孝和、芝正己「沖縄・国頭村安田シヌグの祭祀植物ゴンズイ(1)」)。ハマゴウの花は、唇に似ていると言われるが、この場合、女性性器と見立てられたことを示している。
女性性器は、太陽もであるから、「かねーら」も太陽にちなんだ名前だと考えられる。八重山では、カナイをカネーラと呼ぶのだから、ここでハマゴウに「太陽―女性」のシンボリズムを見ることができる。
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