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2016/10/11

「沖縄・国頭村安田シヌグの祭祀植物ゴンズイ」(新里孝和、芝正己)

 「沖縄・国頭村安田シヌグの祭祀植物ゴンズイ(1)」(新里孝和、芝正己)からメモ。

 安田のシニグでは、「カーブイは藁縄とナガバカニクサのガンシナーに挿す植物としてゴンズイ以外には決まりがなくどんな植物も装飾になるようである」。

 ゴンズイが、ミスハンチャー、ミィファンカと呼ばれるのは、「瞼をうら返す意で果実の裂開している状態が瞼をうら返したような感じがすることに由来する」。

ゴンズイの袋果は1~3個に分かれ、分果はそれぞれ2つに裂けるが、これらの果実は離散することなくくっついたまま2つに開いた状態になる。この開いたかたちが女性の性器に似ているとして、このことからゴンズイを祭祀植物に用いているのではないかという。(聞き取りによる―引用者)

 「ゴンズイの袋果は、熟すると反曲して開出し、裂開すると内面は鮮紅色で美しい」。「袋果の熟期は旧暦では5月から7月になり、およそ旧盆前に分果が裂開して光沢のある黒色の種子をつけ、ちょうどシヌグ開催の頃に鮮紅色に染まる内面を開いてみせることになる」。

 ゴンズイの開いた袋果の鮮紅色は、深い緑色に染まる夏の森を一大祭典のように美しく際立たせる。

 津堅島でもシャコガイの二枚の殻を半開きにして門の両側や道路のつき当たりの塀に置いてムンヌキムン(魔除け)にする。それから、本部町で著者が少年の頃にみた死者を墓に運ぶ龕は、赤色に塗られていた。


 「沖縄・国頭村安田シヌグの祭祀植物ゴンズイ(2)」(新里孝和、芝正己)。

琉球列島の島の最高峰である奄美大島の湯湾岳(694.4m)、沖縄島の与那覇岳(503m)、石垣島の於茂登岳(562m)、西表島の古見岳(469.5m)などは、古代から霊峰の位置づけはなく、琉球列島のヤマは、神となる孤高の霊峰ではなく、神霊(タマ)の坐す森林であったと考えられる。

 これは霊峰のポジションは得ているが、それが海上他界に吸引されて弱まっているということではないだろうか。

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