「佐太大神-古代出雲における太陽信仰」(吉井巌)
吉井巌は、加賀の洞窟を貫く「金の弓箭」について、「日出時の太陽光線の神話的表現ではなかったろうか」と指摘している(「佐太大神-古代出雲における太陽信仰」『天皇の系譜と神話 2』)。
吉井は自分でたしかめたわけではなくて、「漁民に聞けば、日出の太陽に正面しているとのことであった」としている。そして、「海から登る太陽が、まっすぐ洞窟の東の入口から洞窟内に侵入するわけである」と書く。
多くの論者と同じように吉井は、加賀神崎の伝承を「日光感精神話」の一つとして位置づけている。ぼくたちは、螺旋をひとまわりして、それ以前の蛇と太陽の化身としての貝の子として佐太大神を位置づけている。佐太大神の伝承はそれだけ古いのだと思える。
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