トーテムの系譜と島人の思考
琉球弧で知られているトーテムの系譜と対応する島人の思考を整理してみる。
蛇-トカゲは、「食べる-食べられる」関係として同一の系譜に属する。貝-蟹-ヤドカリは、蟹は貝の子として、ヤドカリは貝と蟹の合体として同一系譜と見なせる。苧麻は、植物トーテムとしても霊魂にかかわるものとしても異なる系譜にある。また、トカゲは蟹を食べるので、蟹との系譜的なつながりを持っている。
蛇は「不死」として、トカゲは、これが不鮮明だが「不死の壊れ」という島人の思考に対応する。貝は「死と再生」、蟹は貝に化身する蟹として「サンゴ礁の子」という認識、そしてヤドカリが貝と蟹の合体ということは、「性交と出産の認識受容」に対応していると思える。
苧麻は、植物繊維を可視化された「息」として人間身体と同等のものを見い出したことに対応する。これは霊力の側から霊魂を捉えたことも意味している。
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