「伊勢信仰と海人の神サルタヒコ」(小島瓔禮)
海に沈んだサルタヒコからは「海底・海中・海上」の三つの霊が生まれた。それはイザナギの禊で三つの神がうまれたのと同じ。ムナカタもアヅミもスミヨシも同じ。
小島の言い方を換えれば、神話の段階で、他界は海上へと遠隔化されていたことを示している。このマジック・ナンバー3の淵源は、この世とあの世とその境界部のことを指すのではないだろうか。
メモ。志摩の速贄(はやにえ)。生の貢納物を指す。
伊勢の狭長田は、そのアマテラス大神の水田を地上の世界に映した現実の聖田にあたる。その五十鈴川の川上にサルタビコが到り、後に垂仁天皇の時代にそこにアマテラス大神の大宮が定まるということは、ここでもサルタビコは、アマテラス大神の道案内の神としての役割を果たしている。
「神話でいえば、サルタビコは伊勢神宮の鎮座の場所の預言者であった」。
なぜ、予言することができるのか。それは、「五十鈴川の川上」の場所が、サルタにとっての「あの世」だったからではないだろうか。
メモは少ししかとらないが、小島のこの論考は面白い。
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