他界の遠隔化による境界部の移動
マンガイア島の死霊は、夏至と冬至の日に二つの地点に集まる。
島の南半分の大多数の死霊は、夏至の太陽が昇る「赤洞(赤い朝陽を受ける)」に、冬至は「小さき歓迎」と呼ばれる冬至の朝陽に面する地点。
マンガイア島のかつての「あの世」は、「アレマウクという西の海に張り出した崖」を入口としていたが、他界が遠隔化されると、上記の「赤洞」と「小さき歓迎」に境界部は転移している。
他界が遠隔化されると境界部も移動する例だと言える。「岬」はだから、遠隔以降の境界部でありうるわけだ。
「みみらく(みいらく)」は、その音韻からいえば、かつての「あの世」そのものを指していた。遠隔化とともに、みみらくの埼と境界部の名称として残存したということになる。
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