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2016/09/24

琉球弧各諸島のシマウタ

 中曽根幸一の『琉球弧の民謡入門「しまうた」流れ』から、奄美、沖縄、宮古、八重山のシマウタの形容を探してみる。ウタの属性ではなく、どのような印象をもたらすかという点にフォーカスして。

 沖縄は、「明朗かつ雄大であり、悲調にして優美」と形容も多い。宮古はアーグ(アヤグ)を基準に「優雅」と書かれている。「味わい深い」とも。

 八重山は「情感深く」と。これは、ゾメキはほとんどないのと対比して言われている。奄美は「哀愁」。

 これだけでは直観的には分かりにくいので、属性の特徴を挙げてみる。

 沖縄のは、「仕事歌より恋歌が圧倒的に多い」。また、「海に囲まれている沖縄は、どういうわけか海に関する歌が極端に少ない」。宮古は「物語性」を伴う。

 ユンタ、ジラバは”野の調べ”といわれ、八重山の歌の本体ともいうべき歌謡」。男女混成で二組に別れ、交互にうたう。奄美は「魂と魂の語り合い」。「情感深い物語歌」で、「奄美独特の裏声の世界は、人々を激しく揺さぶらずにはおかない」。

 中曽根の挙げている特徴を言えば、恋歌の沖縄、物語歌の宮古、労働歌の八重山、信仰歌の奄美になる。

 宮古と八重山については、歌遊びの主なシマウタの曲順が挙げられていて面白い。

 ・宮古
 トーガニアーグ
 根間ぬ主
 豆が花
 なりやまアヤグ
 伊良部トーガニ
 クイチャー

 ・八重山
 赤馬節
 しゅうら節
 鷲ぬ鳥節
 小浜節
 月ぬまぴろーま節
 とぅばらーま
 六調
 弥勒節
 やらよう

 典型的な歌遊びの曲順を聴き比べれば、それぞれの特徴はとく分かるのかもしれない。

 奄美だと、

 朝花節
 俊良主節
 黒だんど節
 嘉徳なべ加那節
 六調
 (「奄美島唄物語」)

 沖縄は、かぎやで風、ナークニー、唐船ドーイなどのカチャーシーが入るだろうけど、典型的な曲順として言うとどうなるのだろう。

 

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コメント

 昨夜は久しぶりに『男はつらいよ 寅次郎紅の花』を観てました。
 リリーが加計呂麻島に渡る古仁屋港のシーンで流れる元ちとせの『♪ 朝花節』はいいですね。なんか背中がゾクゾクします。
 沖縄の者にとっても奄美の唄は郷愁に近い感覚を覚えますね。

 新民謡?では与論発祥の『♪ 十九の春』も外せません。この曲ほど琉球弧で愛されているポピュラーミュージックはないですよ。

投稿: 琉球松 | 2016/09/24 11:44

さすが琉球松さん! ちょうど沖縄のナークニー、宮古のトーガニアヤグ、八重山のトゥバラーマと並べると、奄美は何だろうと考えているところでした。

朝花なのかもしれないですね。

投稿: 喜山 | 2016/09/25 08:41

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