「アースダイバー アヅミの神道(13)」(中沢新一)
中沢新一は、甲州と南紀の丸石神について比較している。
甲州のそれ道祖神として、三叉路や小字の境などに設けられるのがふつうで、なんとなく場違いな感じを抱かせる。ところが南紀のそれは、村から離れた川沿いの場所に楠や欅の巨木がそそり立ち、その根元などに立派な石の基壇が築かれ、その上に鎮座している。
両者は意味合いが異なる。
甲州の道祖神場には、生まれたばかりの童子としての太陽をあらわす丸石が、神として祀られた。
丸石神の故郷である南紀では、その丸石が独立自存の至高の神として、威厳ある祭場に祀られたのである。この丸石神は。どう考えても、童子としての太陽である。
これを琉球弧の方からみれば、丸石神は、シャコ貝と同位相にある。道祖神として立てられることもあるシャコ貝は、甲州の丸石神に対応している。また、神社の古形に立てられた南紀の丸石は、御嶽に立てられたシャコ貝に対応する。すると、御嶽のシャコ貝も「童子としての太陽」を意味することになる。
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