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2016/08/06

シャコ貝の葬法の位相と猿田彦

 木下尚子によるシャコ貝を伴う葬法を整理してみる。

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 1.シャコ貝が葬法に伴う。

・数個の大型シャコ貝が、岩陰墓内の一・二次葬に伴う。他の貝は用いられず、シャコ貝のみを用いる。

 2.縄文晩期から弥生時代併行期

・大小のシャコ貝が地上標識や地下の遺体に伴う。使用率も4割を越える。装具としての定着。身体上の貝のむきや位置も意識されている。

 3.古代から中世併行期。

・岩陰墓や洞穴穴の入口付近にシャコ貝を置く風習が見られる。古琉球以降もシャコ貝を葬具として使用する習俗は、階層の上下を問わず継承されていた。

 4.近世琉球期

・墓室内の入口付近にシャコ貝を埋めたり入口外側に埋める。「前代に墓室内億の人骨近くにあったしゃこがいが徐々に墓外に移動していく様子が認められる」。シャコ貝の口はそろって外側に向かっており、また対で使用される。

 1~2はおおむねトーテムとしての生きている。3から境界域としての意味を持ち始めている。4以降は、すでに十字の意味が強まっている。

 3が境界の神としての猿田彦に対応し、4は先駆けの神、あるいは神の使いとしての位相と化している。

 こうしてみると、大和に入ったシャコ貝族は、歴史の展開を速めていったのが分かる。


『南島貝文化の研究 貝の道の考古学』

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