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2016/08/07

「世界の神話とサルタヒコ」(吉田敦彦)

 吉田敦彦は、サルタヒコが「杖」でも「矛」でもあることを突き止めている。たとえば「矛」の場合、オホクニヌシは国譲りする際、「日本書紀」の神代の第九段では、「国平(ひ)けし時に杖(つ)けりし広矛」と、杖のようについて国づくりをした広矛を献上したと言われている。

 「本体がもともと杖であるフナトの神と、この矛とは(中略)実は同じものではないか」。

 その矛は、イザナギとイザナミが高天原から下界に降りる際の先導の役をしている。そして、その矛で海を翔け混ぜてオノコロ島を造ったとされていいるのは、しばしば性行為にアナロジーされるから、この矛は「巨大な陽根を表す意味も持っていたと考えられる」。

 オノコロ島をつくった「矛」は、男根のメタファーであるばかりではなく、女院のメタファーでもある。

 蛇神と太陽神シャコ貝の子。

 ・サルタヒコとアメノウズメ
 ・杖
 ・矛

 ここで「杖」は、宮古島狩俣の祖神祭でのサダル神が持つように、木の枝と葉に分解する必要がある。杖は蛇を表し、四方に広がる葉はシャコ貝(太陽神)を表す。「矛」の柄と剣も同様。

 蛇神と太陽神シャコ貝の子が「神の使い」になったのが、サルタヒコとアメノウズメ、そして杖と矛を指している。

 ここでイザナギ、イザナミやニニギノミコトは高神的な存在だが、サルタヒコとアメノウズメは神以前の精霊の面影を宿している。彼らの、奔放ではつらつとした動きがそう感じさせる。

 サルタヒコの鼻やアメノウズメの名前、そして海鼠の口を切る海神としての振る舞いには「蛇」が宿っている。また、サルタヒコの眼力やアメノウズメの性器を露わにする呪術には、女性としての太陽神が宿っている。そして、アメノウズメがアマテラスを岩戸から引き出す呪力はシャーマンであることを示すが、それは蛇神と太陽神シャコ貝の子としてシャーマンは出現したことを暗示している。

 そうすると、琉球弧においても遺体に伴うシャコ貝は、太陽神でありトーテムとしてのシャコ貝だが、洞窟の意陸地や辻に立てられた(植えられた)シャコ貝は、蛇と太陽の子の位相を持つと考えた方がいい。御嶽にある蒲葵やシャコ貝も同じ位相にあるものだ。

『隠された神 サルタヒコ』

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