太陽神の重層構造
中沢新一が「アースダイバー(対馬神道14)」で描いている対馬神道の重層的構造をもとに、琉球弧の思考をトレースしてみる。
太陽神としてのシャコ貝は子宮として、サンゴ礁という胞衣から動植物の生命を生みだす。
新石器的世界になれば東方の「太陽(ティダ)の穴」から生まれると考えられるようになるが、これを海のどこかなのだから、もとは太陽と海は溶け合っている。だから、太陽神は海の女神とつながっている。ここで、津波とシャコ貝の口の開閉はつながるだろう。津波はシャコ貝を連れてくることからしても。
スク寄りの頃、海は時化、雷が鳴る。海神は海の大地を揺らめかせ、蛇は霊力を喚起させて、スクを出現させる。
新石器的世界では、太陽神は男神として、女神を日光で感精させて、天童を生む。ユタの祖だ。
漲水御嶽の蛇聟入では、蛇と結ばれた女性は、三人の女性を生み、それぞれが神になったとも伝えられるが、ここに旧石器的世界観の残滓を見ることができる。
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