「ニライカナイの原像」4
「ニライカナイの原像」をよく伝える神歌に出会うことができた。
祝女葬式のオモイ(大宜味村字城)今日祝女愛し エイエイ
月の崖 越え給い エイエイ
太陽の崖 越え給い エイエイ
乗り板に 乗り給い
脇板に 乗り給い
石の門に エイエイ送ろう
金の門に エイエイ送ろう (『国頭郡誌』)
たとえば、「太陽(てだ)の方位」で駒木敏は書いている。
「月ばんた」「太陽ばんた」を越えて送られるノロの行く先は、一体どこなのであろうか。明確に表現されてはいないけれども、それは月や太陽によって可視的に方向づけられる、彼方のニライと考えてよいであろう。(「人文学」1988)
祝女は新しくはないが、シャーマンの葬送としてこの神歌は相当古いと思える。月はもうひとつの太陽であることが示されているし、ニライカナイへの道行きが、ニライカナイへの原像への道行きと重なり合ってイメージできるようになっている。
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