「漲水御嶽の伝承」(末吉亜梨沙)
末吉亜梨沙の(「琉球王権と神話の歴史地理学的研究」)から、もう少し示唆を得てみる。
漲水御嶽の伝承では登場する蛇が天上に昇る、つまり蛇が神であり、生んだ子どもたちも同じく神となったという伝承が多く残されている。その反面、悪いモノとして登場する蛇の子を浜下りを行なうことによって流すという話も存在している。
初期の段階では、
1.太陽の女神であるシャコ貝から人間が生まれる。
性交と出産の認識を受容し、人間がシャコ貝をトーテムとしなくなると、
2.太陽の女神と蛇の子が神となる。
他界が遠隔化し、高神が生み出されると、
3.太陽の女神が蛇の子を流産する
農業的世界になると、
4.女が日光に感精して神の妻になる
神の妻から、神へと自認すると、
5.神としての祝女になる。
漲水御嶽の伝承は、2と5が習合していることになる。
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