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2016/06/05

「入墨と沖縄近代史」(新屋敷幸繁)

 新屋敷幸繁は、1968年7月の沖縄タイムスに「入墨と沖縄近代史」というエッセイを連載している。そこでは、「われわれは、針突そのものの美を、もういちどみなおさなければならない」と、針突きを美として捉えられようとしている。この視点は当時、新しいものだったのかもしれない。

 新屋敷は、沖縄本島の入墨を、首里の婦女子のあいだで行なわれて、それが地方に波及していったものと見なしている。貴族からはじまって庶民に及んだ、「良家の子女になろう気持ちもあって、痛さをこらえながら突かせたのである」、と。

 これは、首里に貴族性が生まれてからの流布のされ方のひとつとはいえても、針突きの発生についても、島々の全域に及んでいることの説明にもならないだろう。

 ただ、針突き師は希少な存在で町方から出かけるものだったという点については、針突きのデザインが島ごとの共通性を生んだ背景に示唆を与えてはくれる。

 

 

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