大湯のストーンサークルと黒又山
須藤良吉の『古代謎の証し―日本民族列島漂着考』によると、考古学者の江坂輝彌は、大湯のストーンサークルについてこう書いている。
古代人は山への信仰があつく神々は三角山に降臨し、そこから巨石や立石に宿るものと信じていた。大湯のストーンサークルの場合は、三角型の黒又山を降臨の場とした祭祀遺跡であり、巫女シャーマンのような人物が環状列石の中心に立って、神々を呼んだものであろう。
これをぼくたちの理解に置き直してみる。大湯のストーンサークルは、この世と「あの世」との境界点を意味している。大湯の墓の死者は、ストーンサークルの中心部から「あの世」へと向かった。それは黒又山だと考えられる。この場合の神々とは死者や動物たちの精霊であると考えられる。シャーマンがもしストーンサークルの中心部に立ったとしたら、黒又山へのモノ送りとモノ迎えのときだったのではないだろうか。
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