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2016/05/26

「蝉形貝札と獣形垂飾」(国分直一)

 国分直一は、自らも調査した広田遺跡について、書いている(『環シナ海民族文化考』1976)。

さらに問題はあった。貝の彫画の中に南島の入墨文に似たものが見出されることだ。人面もあり、獣面もあるが、これほど広田遺跡人の系統を暗示しているものはあるまい。受容した弥生文化の影響のかげから極くわずかながらその素性が顔を出していると見てはいけないだろうか。中国の文化をうけ入れ、貝ガラ細工の技術をもった南方系の人種が弥生期に住んでいたことを示唆しているようにも思われた。

 これは第一次調査の年に書いたものだと国分は断っている。

 その後に国分はこう書く。

広田の再葬骨に伴出した貝札の彫刻に入墨文があるとする説は、一九五七年秋の日本考古学協会の大会においても述べたが、その後、金関丈夫教授によって、入墨文と考えるよりは、中国古代楚国の棺底に敷いた苓床のすかし彫の彫刻文に類似するとみるべきであることが明らかにされた。

 なんだか変な文章だが、国分はこれに納得したのだろうか。国分は、自分の直感にもっとこだわるべきだったと思う。

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