葬法とシャコ貝 3
もう少し、シャコ貝と葬法にフォーカスしてみる。
安座間原第一遺跡(宜野湾)
砂丘
前Ⅳ期後半~前Ⅴ期末
40%(シャコ貝使用律)
人体に配置される貝は頭部に集中する傾向
41号:壮年男性。伏臥伸展葬。
・大きなしゃこ貝の一対が、頭部の両側をすっぽり包むように墓壙底に据えられている。
木綿原(読谷)
砂丘
前Ⅴ期末~後期初頭
44%
9号:成人男性。箱式石棺。仰臥伸展葬。
・全身に多くの貝が配置。しゃこ貝とクモガイ。ほとんどがシャコ貝(10個以上)。
・眉間、右耳上、左耳付近、右鎖骨上、左脚付け根(大腿骨近位端)、大腿骨の間(転落か)、両膝付近、左脚上(脛骨上)。内側を下に向けたものが多い。
「使用が特定個人に集中する傾向、ことに伏臥葬に顕著なのは安座間原第一遺跡に共通する」(木下尚子『南島貝文化の研究』)
こうしてみると、伏臥という特異なあり方は、怪我や病因に対する思考の産物のように見える。
両遺跡の年代は、宮古島アラフ遺跡の「貝塚時代5前期から後1期中盤」とそう隔たってはいない。
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