『縄文学への道』(小山修三)
小山修三の『縄文学への道』から、例によって気づきをメモする。
衣装の素材としては、「編布(あんぎん)」が前期からすでに発見されている。原料には、カラムシ、アカソ、カジノキをはじめとした植物繊維。しかし、防寒用には不向き。
ぼくがこれに着目するのは、多良間島の神話(cf.「ぶなぜー神話の位相」)で、人間の前に出現する最後に、カラムシ(ブー(苧麻))位置づけらているからだ。編み物だったかもしれないが、琉球弧で防寒用は要らなかったとすれば、織物だった可能性を持つ。
動物仮面は男性のもの、人間的仮面は女性のもの。
出産経験者の八五%が出産後あまり間をおくことなく死亡している(p.54)。
メモ。これは、不死の段階の脱皮による若返りの元になっている。
単系出自をむねとするリネージ。共系出自のラメージ。先祖とのつながりは必ずしも明確ではないが、成員が同じ出自と信じているクラン。
縄文時代には、アニミズム的世界があった。そうなら、イコン(カミの姿)をつくるひつようはほとんどなかった。ヒトの像は前期の中頃まで明確な形をとることはなかった。土偶に顔がつくられヒトらしくなるのは、前期の中頃。
土偶には増殖を保証する女神の姿という基層があり、その後、葬送(死と再生)および形代としての用途が付加されていったようだ。
縄文オーストロネシアカミはついにその顔をあらわすことはなかったのである。
航海の方法。
1.海岸に立つと対岸が見える(灯台効果)
2.高地にのぼれば対岸が見える(物見台効果)
3.沖に出て母港の見える位置から対岸が見える(山立て効果)
山立て効果の最大値をつかうと、アジア大陸の東縁部の海域には七つの独立ブロックがあらわれる。
メモ。1と2の境界は宮古凹地。
色彩は縄文時代を通じてあらわれる。死者は全身を赤く染められることが多い。棺や副葬品も同様。
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