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2016/01/16

ジュゴン・トーテム

 ジュゴンをトーテムとする例を挙げておく。他にも見つけたら、追加していこう。

 トレス海峡の西部諸島に属するマビオグ島の人びとにとって、もっとも重要なトーテムはジュゴン。

ダンガル(ジュゴンのこと)氏族のおもだった男は右肩に、女はでん部にジュゴンをあらわすはん痕模様をほどこす。体だけでなく、タバコ用パイプ、腰ベルト、太鼓などにこうしたトーテム動物のモチーフをほりこむこともよくおこなわれる。(秋道智弥『海人の民族学―サンゴ礁を超えて』

 この島は、「大きなトーテムの人々」と「小さなトーテムの人々」に分かれる。

 「大きなトーテムの人々」:ワニ、ヒクイドリ、ヘビ、イヌ
 「小さなトーテムの人々」:ジュゴン、サメ、エイ、アオウミガメ

 ジュゴンをトーテムとする人々は、初物だけは食べなかったが、二頭目からは食べていた。

 もうひとつは、アラフラ海に面するオーストラリアのアーンベムランドのヤニュワ族。

ジュゴンはウミガメとともに権威ある海の生き物であり、祖先そのものである。そしてその肉は権威ある祖先の食物であり、自分たちの食物でもあると位置づけられている。(秋道智弥『漁撈の民族誌』)

 たったふたつだが、両者は比較的近い。トレス海峡には、他にもジュゴンをトーテムとする島人がいるのだろう。



秋道智弥『漁撈の民族誌―東南アジアからオセアニアへ』


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