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2016/01/03

「おもろそうし」のザン

 「おもろそうし」で、ザン(ジュゴン)に関する歌謡を探すと、ふたつ目に入る。

9-505(30)
一 守り合い君 
  君にしやが いそこ
  波 つり*寄せ つり合わちへ
又 渡嘉敷の真ころ子
  真ころ子は 根 しやり
又 津口の潮の
  いふちへ 上がて来れば
又 新麦が
  おろ麦が 穂花
又 一の艫襲いぎや
  天のもの/\しや
又 亀 捕てる
  ざん 捕てるてやば
又 取らんてゝ
  知らんてゝ 知られゝ
  *二ておすこねる

一 もりあいきみ 
  きみにしやか いそこ
  なみ つりよせ つりあわちへ
又 とかしきのまころく
  まころくは ね しやり
又 つくちのしゆの
  いふちへ あかてくれは
又 あらむきやか
  おろむきやか ほはな
又 いちのともおそいきや
  あまのもの(/\)しや
又 かめ とてる
  さん とてるてやは
又 とらんてゝ/しらんてゝ しられゝ

 渡嘉敷島でもジュゴン猟は行われた。「潮が海岸の砂浜に上がってくると(津口の潮の いふちへ 上がて来れば)」というのは、満ち潮を指すだろうか。それはまだザン探索の頃合いになる。「渡嘉敷の真ころ子」というように、立派な海人の仕事だったのが窺える。


うちいではとまりみぢへりきよが節
11-650(95)
一 こまかの澪に 降れ 見物
又 久高の澪に
又 ざん網 結び降ろちへ
又 亀網 結び降ろちへ
又 ざん百 込めて
又 亀 百 込めて
又 ざん 百 取り遣り
又 亀百 取り遣り
又 沖膾 せゝと
又 へた膾 せゝと
又 手楫 選で 乗せて
又 沖走い立ての 競いて
又 干瀬走い立ての 競いて

一 こまかのみおに おれ みもん
又 くたかのみおに
又 さんあみ むすひおろちへ
又 かめあみ むすひおろちへ
又 さん ひやく こめて
又 かめ ひやく こめて
又 さん ひやく とりやり
又 かめ ひやく とりやり
又 おきなます せゝと
又 へたなます せゝと
又 てかち ゑらて のせて
又 おきはいたての いそいて
又 ひせはいたての いそいて

 久高島沖でも行った。久高は海人の島だから不思議はない。「沖膾」、「へた膾」というのは、獲り立ての獲物をその場でなますにすること、と解説されている。そういうことがあり得たのに関心をそそられる。

 「干瀬走い立て」は磯釣り船。ネーミングがいいね。


外間守善 『おもろさうし (上)』

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