カツオ・イニシエーションの意味
アオリキのカツオ・イニシエーションで、少年がカツオを抱いたり、カツオの血を飲むのは性的な印象を受けるが、これは、カツオの子であることを示しているのかもしれない。
カヌーの中で、少年が下になり、カツオの頭を上にして抱く。これは、カヌーを母胎にして、カツオから産まれるということを象徴化したもの。
カツオの血を口で数滴、受ける。これは、カツオを人間に見立てて、カツオの授乳を受けるということを象徴化したもの。
後者が最も重視されていて「変態儀礼(transformation ritual)」と呼ばれているのは、カツオの子になることで、カツオへと変態することが思考されているのではないだろうか。
ここには、ソロモン諸島における転生信仰が寄与している。だから、死後の転生とつながっている。
ソロモン諸島では、転生信仰があるから、成人儀礼において、死への接近は強化されずに行なわれるはずだ。この儀礼の過程は、この仮定を裏づけるように見える。
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