『珊瑚礁の思考』、目次構成
『珊瑚礁の思考』は、amazonの準備も相整いました。数日中に発刊されます。仲程長治さんの写真のおかげで装丁はきれいですが、さすがに厚い。
700枚ほど書いてしまったのを出版社の要請で500枚に圧縮したものの、推敲の過程で560枚ほどにまた膨らませてしまったのですから仕方ない。
本来なら二、三冊に分けるべきボリュームだったのでしょうが、無名の書き手には、そういう余裕のある企画は組めませんでした。しかし、とにかく精霊(カミ)の時代から神が出現するまでをひと通りには描きたかったので、312pのボリュームになってしまいました。
惜しむらくは、結果、値がはってしまったことですが、それだけ読みごたえはあると思います。ブログですから、節タイトルも載せておきます。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに 「ネシア」の野生の精神史
文字を持たなかった時代へ
霊力思考と霊魂思考の編み物.
琉球弧からヤポネシアへ、太平洋のネシアへ
ざわめきに背中を押されて
第一部 円環する生と死
一.われらアマンの子-祖先
アマンから生まれた
アマン―人、人―アマン
流動的エネルギーとしての霊力
心を残しては語れない
霊力思考
化身
霊魂思考
身をやつした姿
二.蛇からアマンへ-脱皮
蛇の位相
脱皮つながり
トーテムの関係図
全ては身に起きたこと
わたしはジュゴン
三.いずれ、生まれ変わる-再生
トロブリアンドの再生
琉球弧の再生
アマンに見ていたもの
母系社会と「をなり神」
わたしたちの盲点
兄妹始祖神話の位相
再生と祖先崇拝
食人(カニバリズム)思考
第二部 「あの世」と「霊魂」の成立
四.境界としての洞窟-風葬
風葬とは何か
骨の信仰
「キャンプ地を去る」から「家を去らない」まで
なぜ、去ったのか
「死者」と「家」の同一視
移行としての生と死
もうひとつのあり方へ
風葬の成立
「喪屋」の発生
境界モチーフの展開
五.包含するニライカナイ-他界
二つのベクトル
地上と地下
洞窟を塞ぐ
反転
海上はるか彼方へ
包含するニライカナイ
厚い「移行」の層
六.マブイの成立と協奏-霊魂
霊魂の成立
霊魂の協奏
マブイとセジ
霊力思考と「こころ」
霊魂思考と「あたま」
病の三類型
マブイ込め
死の前後1・添い寝
死の前後2・悪霊払い
死の前後3・霊魂の除去
死の三角形
七.クチとユタの原像-呪言
唱えることは実現すること
自然のイメージ的身体化
呪言(クチ)の世界
反復するイメージ的身体化
原ユタ
憑依型シャーマン
生き残ったユタの可能性
第三部 生と死の分離を超えて
八.まれびとコンプレックス-珊瑚礁
人間と植物の同一視
反作用を繰り込む
「女の作った御馳走」
むしろ、もたらされる恵み
人見知りの基層
珊瑚礁の発生
母なる珊瑚礁
珊瑚礁の思考
九.仮面がつなぐ-来訪神
希薄な死
希薄な同性愛
再生の変形
来訪神の深度
仮面は遡行する
仮面の発生
原仮面
一〇.人、神となりて-御嶽
守護する頭蓋骨
円環が破れる
「御嶽の神」の出現
置き換えられた「あの世」
世界は変わってしまった
生き神の出現
神の変形
島世
あとがき
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント