『古代ハワイ人の世界観』
ポリネシアや北方アジアの天界が階層を持つのはどうしてなのか。それを説明する文章がある。
水平線で、空は海に接している。カヌーは、海上を航海し続けているうちに、空の最初のレベルに到達し、それを越えてさらに進んで行く。虹が地上に達しているのと同じように、空が海上に接していることを思い浮かべることができるならば、われわれは、カヌーを、海上にありながら同時に虹の帯をいくつも航海させることができる。カヌーが、風の中をより高く高く、また地表をより高く高く登って行けば行くほど、カヌーはまた空の中をも、より高いレベルへ進み、ついにはその空が地表に達するところまで進んで航海して行く。
つまり、水平線のところまで行くということは、空の階層がいちだん上がるか下がることを意味していることになる。そして同時にそれは、出発点が地下の階層へと下ることを意味している。天や地下の階層も、彼らの移動実感が生み出したものだということだ。すばらしい。
マイケル・キオニ ダドリー 『古代ハワイ人の世界観 人と神々と自然の共生する世界』
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