貝塚時代のジュゴンの骨
貝塚のジュゴンの骨については、「海牛目」のなかで、こうある。
沖縄の島々での発掘で出土する海棲獣類の代表的な種類はジュゴンです。本州、北海道の例のように、イルカ類やクジラの骨を多く出土するということはないようです。ジュゴンの骨も、特に数多く出土するというわけではないのですが、小さなリュウキュウイノシシしかいない沖縄の石器時代の貝塚では、目立つ存在です。
「ジュゴンの骨は独特の質感があり、ずっしりと重い感じが」するという。「前肢の肩甲骨は大きく楕円形をして」いる。この質感と楕円形の肩甲骨は、「蝶形骨器」をつくるのに、ぴったりに見えたのだろう。そして、ジュゴンということのなかには、ただ食べるというだけではない思いが託されていたはずだ。
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