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2015/11/12

トロブリアンドの「穴」に関する注

 マリノフスキーの『バロマ』の注に、こんな記述がある。亜氏族(ダラ)は、自分たちの起源を一人の共通の先祖へ辿る。

そうした先祖は最初に特定の場所の土の中から出現したのである。そして原則としてそのダラは、その場所に、もしいくはその近辺に住んでいる。-この「穴」は、たいてい村をとり囲む森の中にあるが、村の真中にも見られる。「家」(ブアラ)と呼ばれるこれらの穴は、今日では、水たまりか小石の山か、小さな浅い窪みのいずれかになっている。(中略)原則として一つのブアラから一つのダラとなる。(p.191『バロマ』)

 ここで注目したいのは、「穴」の場所が、「森の中」にあるが、「村の真中」にも見られることだ。ここで墓の位置の記述はないが、「森の中」と「村の真中」は、墓域の遠隔化に伴い、「村の真中」にあったのが「森の中」へと移動したものではなく、等価なのだと思える。これが環状集落を指して書かれたものだとしたら、「村の真中」とは、墓域の中心というようにも取れる。

 また、その「穴」が、「小石の山」であるのは、もともと「穴」だったところが埋められたのではなく、「小石の山」も「穴」と同等に見立てられたのではないかと思える。

 cf.『バロマ ― トロブリアンド諸島の呪術と死霊信仰』

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