『ひとりのひとを哀しむならば』
大澤恒保の『ひとりのひとを哀しむならば』を一気に読んだ。心が鎮まる、良薬のような作品だった。少なくともぼくには。
よしもとばななの心のこもったあとがきもいい。
本来、自分がきつい作業をして書いたもの、深い深いところまで行って取ってきてくれた海の底の貝のような美しいものを。人にまで読ませて伝えてあげたい、というのがものを書く人々の無償の、人類に対するある種の愛情だとすると、この本の中にはそれがたくさん入っている。
そして、「お世辞ではなくて、誰もがこれを読んだ後では、人生が少し違うと思う」と続けている。
ほんとうにそうだと思った。
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