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2015/10/28

蝶形骨器の時代

 ここで試みようとしているのは、「蝶形骨器」の時代をおおよそ掴むことだ。

 出土場所と蝶形骨器のタイプや土器は、島袋春美の「いわゆる「蝶形骨器」について」に依る(Ⅰb型の画像は、ここで見ることができる。「縄文人の造形美」)。また、貝塚時代に対応させるため、土器の編年については、伊藤慎二の『琉球縄文文化の基礎的研究』に依った。出土場所は、遺跡の場所は正確に突き止める労を厭うたので、だいたいの場所になっているのはご容赦願いたい。

 ここで確認できるのは、蝶形骨器の時代が、貝塚時代前Ⅳ期にほぼ収まることだ。それは約3500~3000年前に当たる。島袋が蝶形骨器の祖形としている「Ⅰ」が出土した古我地原貝塚のみが、前Ⅲ期に属し、約4500~3500年前に当たる。

 ぼくの見立てでは、蝶形骨器が作成されるのは、霊魂(マブイ)概念の成立を根拠にしている。それを認めるなら、琉球弧における霊魂(マブイ)の成立は、約3500年前前後ということだ。また、蝶形骨器が貝塚時代前Ⅳ期に集中しているということは、「霊魂」の成立が、珊瑚礁環境を前提にしていることを想定させる。珊瑚礁ができ、島人が定着することが、霊魂の成立には必要だったということだ。もし、そうなら、前Ⅲ期に属している古我地原貝塚周辺の海域の珊瑚礁形成は早かったと考えられる。

 蝶形骨器とは何であるのか、これでまた少し間合いを詰められるように思う。

 cf.「土器口縁部の文様(伊藤慎二)」


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