« 呪術師・シャーマン・巫覡 | トップページ | 『経済学・哲学草稿』の自然哲学 »

2015/08/30

『奄美の針突』

 国会図書館に無いので、近場というわけでもないが、高津図書館まで足を運んで『奄美の針突』を読んだ。

 山下文武は、奄美博物館に在籍した1948年から1953年の間に、針突の文様を蒐集しているが、一覧を見た印象は、基本となる図形に不変性は感じられるものの、場所やデザインが信仰を離れた自由度を持っていることだ。それに合わせて、入墨の動機も信仰から離れている。なかには、サザエにみえる貝そのものを描いたものもあり、のけぞった。

 隼人の残した楯との類似の指摘は関心をそそられる。渦巻と歯鋸が両者に共通しているのだ。

Photo_6Photo_4

Photo_5
(渦巻の組み合せ)

 濃く太い奄美大島や徳之島、繊細になる沖永良部島と与論島と文様のデザインを見ていると、島の性格とつながっている気がしてくる。いつか機会があれば、そういう視点で文様を眺めてみたい。


『奄美の針突―消えた入墨習俗』


|

« 呪術師・シャーマン・巫覡 | トップページ | 『経済学・哲学草稿』の自然哲学 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『奄美の針突』:

« 呪術師・シャーマン・巫覡 | トップページ | 『経済学・哲学草稿』の自然哲学 »