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2015/07/18

『戦後史の正体』

 強力な磁石があって、周囲の鉄は必ず、磁場に添った向きをとらされてしまう。そんなイメージがやってくる。日本は属国というより、アメリカの準州とでも言ったほうがよさそうなポジションだ。この本は、強力な磁力で日本の変化が余儀なくされていること、強力な磁力の影響を背景に想定すると解けること(たとえば、ロッキード事件)、強力な磁力が働いているのではないかと勘繰らせてしまう事象(たとえば、関係者の不可解な早すぎる死)という三層くらいを腑分けして読めば、読み誤ることなく受け取ることができるのではないかと思う。

 この磁力場を想定すれば、短命内閣と長命内閣の占いすら、ある確率でできてしまう塩梅だ。この構図に則れば、追随するのでなければ、政権は短命を条件づけられた抵抗戦をするしかない。それを試みた胆力のある政治家もかついてはいたが、次第に絶えつつあり、猫まっしぐらのように、追随一辺倒の政権に至っている。この先には別のところから、アメリカの州になろうとする運動も起きるのかもしれない。すでに公用語を英語にする企業も出てきているように。アメリカのGo West は大陸では終わらずに、太平洋をまたいで続行中。陸と洋の違いはあれ、インディアンと日本人は西に追い詰められた先住民。

 
孫崎享 『戦後史の正体』


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