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2015/06/21

『崖っぷち国家 日本の決断』

 私は、日本は今、戦後最大の危機にあると思います。
 原発は再稼働する。消費税を引き上げて法人税の切り下げを模索する。集団的自衛権の行使で自衛隊を海外に派遣し、結果として日本にテロを呼び込む危険性を高める。格差社会を推進する。「特定秘密保護法」の施行で情報を国民から隠し、民主主義国家から離れていく。
 それは、今日の日本の政治をどうこうするという問題にとどまりません。明確に未来の世代に負の遺産を残します。

 「はじめに」で、孫埼はこう切り出している。ためになることが多かったが、対談は孫埼が聞き手にまわるよう努めているためか、ニューヨーク・タイムス東京支局長のマーティン・ファクラーの主張が印象的だった。ファクラーはこの対談のなかで、何度も、「主権は国民にあるんですよ」と繰り返す。それがまるで、民主主義の気風がちゃんとあった古き良きアメリカからの声のように聞こえてきた。

 備忘を絞ると、ファクラーの沖縄認識が興味深かった。以下、ファクラーの見方を辿るために、孫埼の発言を省略する。

 ですから、当時の琉球(ペリー来流の頃-引用者)は日本とは全く別の国家だったのです。ハワイも同じような状況だったと言えます。このように、日本の支配の歴史とは意外に薄弱なのです。(中略)
 米軍の基地が沖縄から去ったら、日本の沖縄支配も消えるのではないかということfrづ。その問題は意外に大きく重なっているように思います。今、日本が支配されていることの、いちばん目に見える形の存在は駐留米軍です。沖縄に駐留米軍がいなくなったら、日本はどうやって沖縄を統治するのでしょうか。米軍が沖縄を去ったら、沖縄の将来はどうなるかわからないと思います。
 必ず新しい展開が出てくると思います。日本がほんとうに沖縄を統治できるかどうかはわからないですよ。自衛隊の存在はそれほど大きくないし、米軍のベース(基地)が日本支配のシンボルになっている感じなのです。

 まず、ファクラーは琉球の日清両属について認識がないようにみえるが、それでも、「日本の支配の歴史とは意外に薄弱」という観点が新鮮だし興味深かった。また、ニューヨークタイムスの記者に、米軍が沖縄から去ることが非現実的に見えていないことも同様に。それから、沖縄から見れば、米軍基地は、米軍の支配であると同時に日本の沖縄支配のシンボルに見えているという観察。この観察は妥当なものに思えた。

 

『崖っぷち国家 日本の決断』


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