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2015/04/14

「をなり神」(伊波普猷)

 「南島人の間にも、現に彼等と共に生活している人をそのまま神として崇める風習が遺っている」として、伊波普猷は、「をなり神」を紹介している。

 ここには、身体を聖なるものとみなす霊力思考が強く働いているが、これはそのまま生き神様信仰につながるものだ。どうして琉球弧の島人が、異族の王である天皇を仰ぎ、太平洋戦争にのめりこんでいったのか、その理由の根本はここにあるのではないだろうか。

 それでも。

こうして彼女らには、神秘力があると認められていたのだから、故郷を離れた男子には、をなり神が始終つきまとって、自分を守護してくれるという信仰があった。姉妹の項(うなじ)の髪の手を乞うて守り袋に入れ、或はその手拭を貰って旅立つ風習が、つい近頃まで首里那覇にさえ行われていた。姉妹のない時は従姉妹なり、誰なりのそれを貰って、お守りにしたとのことだ(p.5)。

 これらのことは、もう経験からは程遠いにもかかわらず、まだ認識であるより、情緒である気がする。


『をなり神の島 1』


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