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2015/01/02

霊魂思考と霊力思考

 棚瀬襄爾の労作、『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』を元に、霊魂思考と霊力思考を整理してみる。


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 この整理をもとに、琉球弧との対照から考えたことは次のいくつかだ。

 まず、高神の発生は霊魂思考に由来し、来訪神を霊魂思考優位のもとでの霊力思考の関与と見なした。複葬を行わない伸展位の埋葬を行う東南オーストラリア諸族において、高神は発生していた。霊魂の思考があれば高神は発生するのだと思える。これまで、来訪神は地下他界と結びつけて考えてきたが、資料で分かる範囲からは、純粋な地下他界の例はなく、地下他界であっても霊力思考の影響を認めないわけにいかなかった。しかし、肉体の再来は、霊力思考の産物であってみれば、来訪神はそれで妥当なのだと思える。

 霊魂思考のもとでは、死者との添寝は他界への供を意味したが、霊力思考との混融のもとでの死霊は、霊魂の転移の意味を持つと捉えた。

 琉球弧の呪言(クチ)も、霊の投げつけは霊魂思考だが、そこに霊力があり、病因になりうるという思考は呪術的なもので、これも両思考の混融ではないかと見なした。

 これらの整理をもとに、再度、琉球弧の習俗を見ていくことにする。

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