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2014/12/01

南太平洋の服喪の二類型

 樹上葬、台上葬における服喪は、剃髪、蟄居、塗身などがあるが、オーストラリアにおいて特徴的なのは、特に女性に課せられる「沈黙の掟」だ。一方、埋葬における服喪は、死者の名を呼ばないこと。

 メラネシアにおける服喪は、性のタブー、蟄居、食物の制限ないし断ち物、剃神、墓上に寝ること、火を焚いて暖めること、死霊瞞着。

 ニューギニアに多いのは、身体彩色または塗泥。

 ポリネシアにおいては身体毀損が行われる。ニューギニアにおける身体彩色は、身体毀損の弱められた変形ではないだろうか。

 樹上葬や台上葬の「身体の霊」の思考の段階では、服喪は、未分化の共同幻想、自己幻想、対幻想の全領域に影響が及ぶ。埋葬の「肉と骨の霊」の思考の段階では、それぞれの幻想の分化が起こっているから、注意が払われるのは死霊との関係のみになる。それが、「沈黙の掟」と「死者の名を呼ばないこと」との差ではないだろうか(cf.『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』)。

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