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2014/12/31

ポリネシアの他界と葬法

 つづいて、ポリネシア(棚瀬襄爾『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』)。

 ポリネシアにおいては天上と地下の対置が顕著。資料にある限りでは、西方の地下の対置はマルケサス諸島のみ。天上と西方の対置はニウエ島のみ。これは天上界が明瞭に現れるところでは、対置されるのは地下であることを示唆するかもしれない。これを仮定すれば、琉球弧において海上他界が優位であることは、天上界が部分的で島人に普遍的ではなかったことを意味する。したがって、琉球弧の他界は、といえば海上と地下、より厳密にいえば、地下から延びた海上と一部山中と言えばいいのだと思う。

 天上と地下が対置される場合、社会階級によって天上か地下かの行き先が決められている。トンガでは、死霊の存在は貴族のみに認められ、平民の霊魂は滅び去って存続しないとされている(p.415)。琉球弧がそういう社会じゃなくてよかったよ。

 もともと地下の他界は闇として思考されているのではなく、この世よりよい所の考えられている。これが、天上と対置されても、同様の地下認識を持つ場合もあるが、天は光、地下は闇という非対称性が現れる。これは、この世での社会的利害の分離を反映するのではないだろうか。

 棚瀬は、ポリネシアにトーテミズムが痕跡としてしか現れていないと書いていて、「もしAがBを殺すと、Bの集団はAに復讐せねばならぬ」という思考をその例として挙げている。これは理由が分からない。

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