« 埋める埋めない | トップページ | 『これが沖縄の生きる道』 »

2014/10/09

『葬制の起源』

 大林太良の『葬制の起源』から、琉球弧ソバージュの葬制について肉づけしていきたい。

 前期旧石器時代の洞窟遺跡かたはたくさんの頭蓋骨が発掘されている。中期旧石器時代も同様。これが複葬を示すものか、よく分かっていない。ヨーロッパの洞窟や岩かげで、葬制を見出すことができる。これは、「死者は生者の居住する場所に葬られたことを意味している。若干の例ではこうした場所を死者にゆだねて、生者は別のとことに移ってしまった形跡がある(p.18)」。後期旧石器時代も頭蓋骨だけが孤立して発見される例は後を絶たない。新石器時代開始前後には、洞窟の入口へ葬ることが始まっている。

 狩猟民文化と牧畜民文化には、死体放棄が属し、これに反して、植物に関係した文化、つまり農耕文化には土葬が属している(p.31)。

 単葬の形態。
 1.死体を見捨てること。死にかかったものを見捨てる。死体からの逃走。
 2.死体の破壊。鳥葬、火葬。
 3.死体をしまうこと。埋葬、樹上葬、台上葬。

 死体保存は赤道文化、死体破壊は北方文化。

 二つ以上の葬法が接触し混合したときに複葬が生れる。また、複葬は長期間の定住を前提にする。狩猟採集民のなかにも複葬はあるが、大部分は農耕民文化(p.97)。複葬は霊魂の表象と密接に結びついている(p.102)。

 一般的に地下の他界からは地上に戻ることはない(p.148)。

 大林の議論を離れて琉球弧の葬法の流れを考えてみる。

1.埋めない(単葬)

 1)生者は家を死者に譲る。家を捨てる。
 2)定住するようになって、死者は洞窟や叢林に葬られる。

2.埋める(複葬)

 1)埋葬する。
 2)頭蓋を洗骨する。

3.埋められない埋葬(複葬)

 1)死体を洞窟前などに置く。
 2)洗骨して納める。

 「埋める」と「埋めない」とでは、葬法の考え方は違うから、この二つは異系列に置く。一方で、埋めずに家が、死者の家から生者の家へと変遷する流れがある。他方に、埋めて取り出し、頭蓋を中心に洗骨する流れがある。ここでもうひとつ、隆起珊瑚礁環境は、埋めたくても埋められない土壌であることを踏まえると、埋められない埋葬の流れを考えることができる。この場合は、一時的に死体をどこかへ置き、洗骨をする。これも「埋める」形態が生れた時から並行してあったと考えられる。そこで、風葬と呼ぶものには、洗骨が伴うものと伴わないものは最初から混合して現れたのではないか。


2


|

« 埋める埋めない | トップページ | 『これが沖縄の生きる道』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87956/59893866

この記事へのトラックバック一覧です: 『葬制の起源』:

« 埋める埋めない | トップページ | 『これが沖縄の生きる道』 »