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2014/10/18

ベレプ諸島の葬法と他界観念

 棚瀬襄爾の『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』から。


 ベレプ諸島(ニューカレドニア島の北)。

 ◇葬法
 聖域に掘った浅い墓穴に頭を上にして坐位で埋葬する。頭だけ地上に出しておくこともある。後で頭蓋を取るためである。悲嘆の印に死者の親族は、自分の耳を引き裂き、腕や胸に大火傷をつける。死者の家、網などの道具を償却し、死者の畑を荒らし、ココ椰子を斧で切り倒す。動機は説明されていない。

 墓掘り人は穢であるとして、厳重に隔離される。役目を果たすと、4~5日間、厳重な断食を守り、妻と離れて、死体の近くに留まらなければならない。手で食べ物に触れてもいけない。彼らは尊敬される。

 死後一年すると、死体の肉が完全に腐り、頭蓋を取り去って住居近くの各家族墓地の地上に並べる。祖先を崇拝する一種の墓地。

ベレプ島の真の宗教は祖先崇拝で、彼らは祖先の功徳を信じ、この聖域は彼らの犯すべからざる財産であり、他人の聖域を犯すことはない。彼らは病者を治そうとすれば、まず家族の1人が甘藷の葉を携えて聖域に行き、これを頭蓋に供えて、その力を得、次いで同一のものを父、祖父の木に供えて力を得て、息をふきかけて病者を治そうとする。漁に成功せんとすれば、ある植物を焙って、これを頭蓋に供えて成功を祈る。甘藷の豊作を願う時にも、ヤム芋の取り入れ前に不作の心配のある時にも、頭蓋に祈るのである。絶えず祈るために彼らは祈祷柱を発明し、これを墓または頭蓋置場に立て、これをもって祈祷に代える習俗も持っている(p.231)。

 墓掘り人に対する穢れの観念が琉球弧に似ている。ベレプ島でも家を捨てている。この例を見ると、捨てるのは家だけでなく、畑も、死者の持ち物はそうされたということかもしれない。

 墓地にあたる聖域は、洞窟や御嶽に対するのと似た態度を思わせる。

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