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2014/10/11

『心の先史時代』のトーテミズム理解

 認知考古学は、現生人類に起こった脳の変化を、ネアンデルタール人では博物的知能と社会的知能は別々に分かれていたが、現生人類ではそれらを横断する結べるようになったと主張している。その、流動的な知性が生み出すことができるものは比喩だ。

 その比喩のもっとも典型的な例はトーテミズムとして言うことができる。

 トーテミズムは人間/動物という硬貨のもう一面である。それは動物に人間の特徴を付与するのではなく、人間の個人あるいは集団を自然界埋め込むものである。そのことは、出自を人間以外の種に求めるという行為に端的に表れている(p.217)。

 これは自然哲学の考えから言えば、こうなる。

 人間は、全天然自然を人間のイメージ的身体とし、人間は全天然自然のイメージ的自然になる。人間が、「全天然自然を人間のイメージ的身体とする」とは自然の擬人化であり、人間が「全天然自然のイメージ的自然になる」ということは、「人間の個人あるいは集団を自然界埋め込むもの」だ。

 レヴィ・ストロース。動物は食べておいしいだけでなく、「考えておもしろい」。トーテミズムは、「文字も科学もない集団に、人間の集団間の関係性を概念化するためのすぐ間に合う手段を与える、自然界の種の研究」。

 トーテミズムの三つの特徴。

 1.トーテミズムは狩猟採集の生活様式で暮らしている人間の集団に一般的。
 2.トーテミズムは動物に対する思考と人間に対する思考の間に認知的流動性を必要とする。
 3.考古学的な証拠をもとにすれば、トーテミズムは上部旧石器時代が始まった頃から人間の社会に広まっていた可能性がある(p.218)。

 「認知的流動性」と呼んでいるものは、下図を見ると、分かりやすい。


Totemism_2


『心の先史時代』


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