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2014/09/28

精液原理

 マヨ祭儀を行っていたマリンド・アニム族。結婚にあたって新婦は、健康と多産のために初夜に夫と同家系の男達の性交の相手をして、精液の洗礼を受けなければならなかった。結婚後も出産の後の最初の月経がはじまり、妊娠可能期に入ると、それが繰り返された。(『縄文土偶の神話学―殺害と再生のアーケオロジー』)より)。

 これを見ると、男女の性交が妊娠につながるいという認識は無いように見える。あれば、夫との性交のみに依存させるはずだ。

 サムビア族では、口唇性交により少年たちは大人の精液を飲まされた。妻から出る母乳も夫の精液の変化したもの、胎児の骨、皮膚、筋肉、内臓も精液によって形成され成長するものとされる。だから、妻が妊娠したら怠らずに性交に励み、精液を母胎に供給し続けなければならない。

 Herdt は、人間は精液がそのなかを通って次の世代に伝達される一時的な容れ物に過ぎず、精液こそが主体であると、この精液原理を説明している。

Its magical power does things to people, changing and rearranging them, as if it were a generator. They however, can do little to affect this semen principle: it does not reflect on them, but merely passes through them as an electrical current through wire, winding its way into bodies as generator coils for temporary storage. Because it is instrumental growth, reproduction, and regeneration, sperm(and its substitutes) is needed to spark and mature human life. Human are its objects. (SEMEN TRANSACTIONS IN SAMBIA CULTURE).

 これなど、最近の人間は遺伝子の乗り物に過ぎないという口吻を思い出させる。ある種の現代の科学が汎遺伝子主義なら、メラネシアでは汎精液主義だったわけだ。あまり変わりはない、というべきか。

 神話を再現して女性が殺害されるというなら、人間も植物由来で誕生すると考えられていたということか。



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