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2014/07/28

洞窟葬の分布

 琉球弧で広く行われてきた洞窟葬の事例は、南太平洋では少ない。棚瀬襄爾(『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』)も、「独自の葬法であるよりも、主として呪術宗教的観念から骨をかくすために行われる例が多く(中略)、正葬と見ることはできないように思われる(p.452)」としている。

 また、「洞穴葬は特殊の葬法ではあるが、系統的にはやはり台上葬と同じ乾燥葬に属するものが多いらしい(p.650)」ともしている。

 分布は、フィリピン、インドネシア、ポリネシアだ。スラウェシ島のトラジャ族やニューギニア島に近いババル島では、洗骨改葬が行われているように見える。

 南からやってきた琉球弧の先祖たちの多くは、珊瑚礁環境に適応して、原郷の地とは異なる洞窟葬を選択したということだ。

 また、ボルネオ島西部のブカット族は、「家を捨てる」習俗も持っている。


1.デイントリー川上流(オーストラリア)。洞穴葬が行われていたと言われている(p.111)。
2.リフ(ロヤルティ諸島、ニューカレドニアの東方)。一般には埋葬(珊瑚礁では墓穴を掘ることができるのは砂浜のに)だが、接近しがたい険しい岩穴に納めるのみのこともある(p.231)。
3.パイン島(ニューカレドニア)。洞穴が古俗(p.233)。
4.ラロトンガ(クック諸島)。埋葬のほか、洞穴葬もある(p.442)。
5.マンガイア(クック諸島)。洞穴に葬られる。親族が訪れることができるように(p.442)。

6.ポーモツ諸島(南太平洋)。地位ある人は埋葬せず、死体を晒して乾燥させ、洞穴に納める。(p.445)
7.カンカナイ族(ルソン島)。埋葬か、洞穴(p.593)。
8.イゴロット(ルソン島)。多くの場合、洞穴または巨岩の下(p.594)。
9.サマール島(フィリピン)。洞穴(p.600)。
10.スバヌン族(ミンダナオ島西部)。明らかにスバヌン族の使った洞穴や岩屋がある(p.601)。

11.ポリネシア人(ハワイ)。洞窟や洞穴が選ばれる(p.437)。
12.プニヒン族(ボルネオ島西部)。崖の下の岩穴(p.613)。
13.ブカット族(ボルネオ島西部)。岩穴または木の下(p.615)。以前は、死せんとする人を一人で放置し、急いで逃げてしまい、家を荒廃するに任せた。
14.ババル島(ニュギニア島南西沖)。埋葬、台上葬の後、頭蓋を洗骨し、洞穴に納める(p.640)。
15.トラジャ族(スラウェシ島(セレベス))。ボルネオ島の東部の島)。埋葬、台上葬の後、頭蓋を洗骨し、洞穴に納める(p.641)。

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